工業用 精製水(純水)とは 用途

「水とは」様々な種類の水

スーパーやコンビニなどに行けばわかるかもしれませんが、複数の種類の水が販売されているのがわかります。軟水や硬水、天然水はミネラルウォーター、さらには海洋深層水など、様々な種類のものが販売されています。やや値段が高めに設定されている輸入食品の店に行けば、10種類以上の水が揃えられていることもあるでしょう。

その他にも水道水はあまり美味しくない、田舎や山の頂上などで飲む水はおいしい、海外の水は苦い等の経験をしたことがある人も多いかもしれません。このような水の味の感じ方は、H2O以外の成分によるものが挙げられます。

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一般的にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルなどが適量含まれていると、おいしいと感じると言われています。反対に残留塩素などが数多く含まれていると、あまり美味しくないと感じると言われています。人により天然水を好んでおり、ダイエットのために香水を飲むと言うように、種類を意識して選ぶこともあります。水質や処理方法、採水場所などによっても様々な種類のものがあり、国により細かく分類がなされています。硬度100ミリグラム未満の水が軟水、硬度100ミリ以上の水が硬水、自然の源泉、なおかつろ過や沈殿、加熱殺菌だけを行った水が天然水です。そして地下水を元帥としているものがミネラルウォーター、水深200メートルより深い海水を処理したものが海洋深層水です。

精製水 純水とは

そして実験等で使われる水の種類にも、実は飲み水と同じように種類があります。実験で使う水には純水やイオン交換水、RO水、蒸留水など様々なものが挙げられます。1番大きな分類として分けられるものが純粋と超純水と呼ばれるものです。

純水とは水道水に不純物除去の何らかの処理を施したもので、精製方法に指定はありません。そしてこれをさらに精製したものが超純水と呼ばれるもので、その方法には逆浸透膜やイオン交換樹脂、活性炭や紫外線等を組み合わせて精製します。精製方法に指定がないものが純水であり、水道水に何かしらの処理を加えれば純水とみなされます。つまり小学校の頃に理科の実験でろ過の勉強をしたときに使ったものも純水の一種に当たります。精製方法に指定がないことから、精製方法により様々な種類のものがあると言えるでしょう。

超純水

その一方で超純水の場合には明確な基準が定められていることから、種類に違いはありません。そもそも精製とは不純物を取り除く工程を指しますが、不純物には無機物有機物、微生物や微粒子などに分けられます。精製が純水や超純水を作るために肝心なものであり、精製の違いによって純水の種類が分けられます。蒸留器により生成されたものが蒸留水で、水と不純物の沸点の違いを利用します。RO水はRO膜により精製されたもので、RO膜によって不純物大きさによって分離します。イオン交換により精製されたものがイオン交換水でイオン交換樹脂によって不純物を除去するものです。そしてElix水と呼ばれるものが、RO膜とEDI連続イオン交換の件組み合わせで先制されたものです。RO膜による大きさによる分類に加えて、電気の力でイオンを除去します。

純水の違いは精製方法の違い

このように純水の違いは精製方法の違いであることがわかります。この違いが水質の違いにつながり、どれを扱うかにより除去できる不純物が異なることから、最終的に得られる水質も違います。純水はかなり広い意味を持つ言葉であることがわかりますが、同じものでも超純水に寄っているものもあれば、水道水に近いものもあり、水質には大きな違いが見られます。

具体例をあげるとイオン交換水の場合にはイオンは除去されていますが、有機物の量は水道水とはほぼ変わりません。そのため有機物を扱う実験においては、有機物が除去されていないものを使用することで、実験に影響が出る可能性も大いに考えられます。何気なく実験で使っている書類を気にしない人も多いかもしれませんが、実験で使うものにも飲み水と同じように種類があって、その質が大きく異なります。種類を気にするだけでも実験の質も変わる可能性があるでしょう。

清涼飲料水やコーヒー、お茶などの原料

このような純水は飲み水のイメージがないかもしれませんが、余計な雑味が混ざっていないので、清涼飲料水やコーヒー、お茶などの原料としても使われています。ウォーターサーバーで販売されている製品も多くは純水を指していることでしょう。

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防災用品としても保存食などが注目されていますが、この保存水も純粋が多く使われています。ウォーターサーバーの水で使われているものにはRO水もありますが、これも純水の1種と言えるでしょう。人体にとって有害な物質が入っているわけではないため、理論上は飲んでも問題はありません。

しかし一部の専門家からは、溶解性が体に悪影響を及ぼすと言う指摘もなされているのが実情です。不純物がないので体が保持するミネラル分を溶け出させてしまう可能性があるといった考え方です。水は人間が生きるためには欠かすことができないものです。毎日の暮らしの中でストレスなく飲めるものを選ぶことが大切です。

 

様々な純水の用途

純度が高く極めて不純物が少ない純水は、幅広く様々な用途に活用されています。純水に含まれる不純物は、50mのプールを例に挙げるとコップ1杯分とされます。これが水道水だとドラム缶数本ですから、改めて純水の純度の高さというものが分かります。

精密機器の洗浄

肝心の純水の用途ですが、代表的なものの1つに精密機器の洗浄が挙げられます。精密機器は製造工程において洗浄が不可欠で、ホコリや塵すらも許されない場合が多いです。そんな時に役立つのが不純物の少ない純水で、精密機器の製造工場には純水を精製する設備があるくらいです。精密機器の洗浄が不良品の発生、歩留まりを大きく左右しますから、コストが掛かるとしても必要不可欠です。むしろ、コストを嫌って精密機器の洗浄がおろそかになれば、不良品が増えて出荷できる製品が激減してしまうでしょう。

光学分野の洗浄工程

光学分野においても洗浄工程がありますから、純水は欠かせませんしやはり重要です。一方ではテレビやディスプレイ用の液晶、有機ELパネルの製造でも純水が活躍しています。これらも製造工程において洗浄が必要になるので、純水なしには製造できないと言っても過言ではないです。不純物の多い水道水はそのまま使えませんし、拭き取る形で洗浄するにしても、繊維などが残らないように注意を払う必要があります。物理的に拭き取る方法は細部の洗浄に向かず、拭き取りに使用するものが繰り返し使えないといった問題が存在します。やはり、形状に関係なく繊維を気にせずに洗浄ができるのは液体で、その洗浄液に純水が適しているのは明白です。

化学製品の製造

余計なものが含まれていない純度の高さという意味では、化学製品の製造にも最適です。化学製品の製造もまた高純度の水が必要になりますし、不純物が含まれている水は使えないです。不純物が含まれていると成分構成が変わってしまったり、変質の原因になるので、純水が化学製品の製造の大前提だといえるでしょう。精密機器が安定した現実的に手が届く価格で販売されているのも、化学製品が安心して使えるのも、この純水があるからこそです。

仮にもし純度の低い水しか使えないとしたら、精密機器の洗浄は不十分になって不良品の原因が残ったり、化学製品の製造で基準を満たす製品の割合が減ってしまいます。つまり、歩留まりが悪化したり品質や信頼性が低下してしまうので、価格が上がり高品質なものほど手が届きにくくなります。

飲料物の原料

飲料物の原料にも純水は使われており、美味しく安心して飲める理由になっています。
水道水で飲料物を作るとしたら、味が狙った通りにならなかったり、純度の変化で味が安定しなくなるでしょう。
当然ながら何が含まれているかは調べてみないと分からないので、信頼性や安心感という意味でも影響があります。

飲料物の味が安定していて、いつどこで購入しても同じ味が楽しめるのは純水のおかげです。
意外かもしれませんが、純水そのものは味もなく美味しくないといわれています。
不純物が含まれることで美味しいと感じられるのは不思議ですが、飲料物の原料は複数を組み合わせて味付けされるので、使用する水に不純物が含まれていなくても美味しく仕上がります。
水道水も軟水と硬水によって味が違うわけですが、これも含まれているミネラル、つまり不純物の違いによります。

純水の特徴として、飲料物の原料に使う場合は他の成分に影響を与えず、美味しさを引き出したり保てることがあてはまります。水道水で作るとミネラルが邪魔をして風味を損ねる恐れがありますが、不純物を殆ど含まない水は、素材の良さがそのまま活かせます。

純水の製造方法

このように一般的な水とは違った性質を持つ純水ですが、製造方法はいくつかあります。

イオンを交換する方法はイオン交換樹脂と呼ばれる素材を使うやり方で、特に無機質のイオンを取り除くのに適しています。水を気化させて不純物を取り除く蒸留は、古くから用いられている方法ですが、全般的に不純物を取り除くことができます。

逆浸透膜で知られるRO膜は、蒸留と同様に不純物全般の除去に適していますが、更に優れていて効果的に除去可能です。近年はRO膜とEDI連続イオン交換の組み合わせによる、もっと優れた製造方法も登場しています。
RO膜と電気の力でイオンを除去しますから、極めて純度の高い水が作り出されます。

超純水は市販されている精製水を遥かに上回る高純度で、精製してすぐに使わないと空気中のホコリ、ガスなどを吸って純度が低下してしまうほどです。工場で製造して流通、販売できないほどデリケートですから、基本的には精密機器の洗浄、化学製品の製造といった現場で作って使用されます。作ってすぐに使うことが大前提となるのが超純水なので、一般的にお目にかかることはまずないです。

しかし、純度の高い水を精製する技術が発達したからこそ、精密機器や化学製品も発達したといえます。飲料物が大量に、安定した品質で製造や供給が行われているのも、純水という純度の高い水が支えているからに他ならないです。

精製水( 純水)の販売

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