炭酸ガスの活用例を聞く 高純度炭酸ガスの注意事項

高純度炭酸ガスの注意事項

現在、私は産業関連ガスの特性を利用した製品やサービスを提供する企業に勤めています。具体的には発泡剤やドライアイスを利用した食材の冷却材などで、年間総生産量は100万トンにものぼります。高純度炭酸ガスの用途としては炭酸飲料がメインで、毎年、夏場シーズンインの時期には多忙を極めます。

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高純度炭酸ガスの注意事項は、圧力が0.417MPa以下になってしまうと製造ラインの設備内部で固まり詰まらせることになってしまうので、配管の爆発を防ぐための備えや設備不具合などに神経を使うことにあります。

この高純度炭酸ガスの流れる配管にトラブルが発生した場合、屋内に広がってしまうと通常21%必要な酸素濃度が低下してして酸欠の状態になる恐れがあるため換気が大切で、ガス濃度が1.5%以上になった場合や酸素濃度が18%未満になった場合は労働安全衛生規則によって関係者の立ち入りも禁止されてしまうため、細心の注意が必要となっています。

炭酸ガスによる地球の温暖化への影響は?

この高純度炭酸ガスですが、空気中に存在する二酸化炭素としてはごくわずかしか含まれていないため、一般的には空気分離で製造することはありません。そのため、石油化学プラントや製鉄所から発生する低純度の粗炭酸ガスを精製することとなり、それが高純度炭酸ガスや液化炭酸ガス、ドライアイス製品となります。しかし、近年問題となっているのが炭酸ガスによる地球の温暖化です。

地球温暖化とは、人々の生活や産業が発展テイクことにつれて大気中に含まれる二酸化炭素(CO₂)などの「温室効果ガス」が大気中に放出され、地球全体の平均気温が上昇している現象のことで、主に石油や石炭などの化石燃料を燃焼させることで発生します。

現時点では大気中に含まれる炭酸ガスの量はおよそ360ppmといわれていますが年々増加傾向で、この炭酸ガス濃度が2倍に増えると気温が1.5~4.5度程度上昇するため、この現象によって海面が20~110cm上昇すると考えられています。

日本において産業用に使用される炭酸ガスは、年間におよそ80万トンとドライアイスの20万トンを合わせた合計約100万トン前後です。ただし、この量は大気中に放出される炭酸ガス全体の0.1%にも満たないものであり、使用するメーカーが取り扱う高純度炭酸ガスは主として石油化学関連企業などから直接大気放出されているものを分離回収、精製して使用しています。私の勤めている会社でも本来、大気に放出されるものをリサイクルしていますので、地球温暖化にほとんど影響していないと考えています。

このように取り扱いを間違えてしまうと危険な高純度炭酸ガスですが、これを水に溶解させて作る炭酸飲料はジュースやビール、シャンパンなど炭酸の爽やかさがより味を引きたててくれるため私たちの生活にはもはや欠かせないものです。高純度炭酸ガスを扱う者として、環境と安全、衛生面に留意しながら万全の管理体制の下で作業を行うよう心がけています。

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